梅の花の香りは病気を治し、梅は薬になる
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中国は梅の故郷であり、約150品種以上が存在する。梅を植えること、梅を鑑賞することは、古来より中国の人々の高雅な趣味であった。はるか商周時代には既に広く梅が栽培されていたが、当時は花を鑑賞するためではなく、果実を酸味のある調味料として収穫するためであった。梅は長寿樹種でもある。現在中国で最も古い長寿梅は、昆明市晋寧県盤龍寺の元梅であり、樹齢750年以上を数える。北宋以降、気候変動により梅の木は北方の露天栽培に適さなくなった。意図的に梅を栽培する習慣は、この頃から始まった。「骨の髄まで凍るような寒さを経験しなければ、どうして梅の花の芳香を得られようか?」医学的に言えば、梅の花の香りの分子には精神安定効果があり、不眠症の場合、早朝に梅の花の茂みの中を散歩し、10数分間深く呼吸すると、比較的良い効果が得られる。
梅の木は開花後の5月に梅の実を実らせる。梅はアルカリ性食品であり、カルシウムや鉄などのミネラル含有量はリンゴやオレンジを上回る。100グラムの果肉には約65ミリグラムのカルシウムが含まれ、腸・胃・肝臓などの機能を調節し、便秘や下痢などの症状を改善する効果がある。普段、肉・魚・酒・砂糖などの酸性食品を過剰摂取した後は、梅干しや陳皮梅などの甘露煮を食べると、これらの食品の酸とアルカリを中和し、人体の新陳代謝を促進するのに役立つ。生の梅を食べる場合は、酒に漬けるかお茶として飲むのが最適である。
梅の花は薬用にも用いられる。白梅は肝臓の気を和らげ、胃を整え痰を解消し、肝胃の痛み、食欲不振、めまいなどを治療する。紅梅は肝臓を清め鬱を解し、頭痛・目痛を治す。
『紅楼夢』第19回で、襲人が宝玉に仕える際、「自分の足炉を足台に置き、荷包から梅の花香餅を二つ取り出し、さらに自分の手炉の蓋を開けて焚き、再び蓋を閉めた……」とある。「梅の花香餅」とは香料の粉末で作った梅の花の形をした小さな餅で、巾着に入れて身につけることも、焚いて香を焚くこともできた。同書の第42回で言及される「梅花点舌丹」は熊胆、雄黄、梅の花、氷片など15種類の薬材を配合した丹薬で、疔毒や悪瘡、咽喉の腫れや痛みなどを主治する。
梅の薬用価値は主に果実である青梅、烏梅、白梅にあり、特に烏梅が多く用いられる。
(一)薬用と採取:葉、花、茎、根、果実及び種仁を薬用とする。葉は春・夏・秋に採取。花は早春に満開時に採取。茎・根は必要に応じて採取。果実は青梅と熟梅をそれぞれ別々に採取。種仁は果皮を取り除けば得られる。
(二)性味と帰経:性平、味酸、無毒。肝・脾・肺・大腸経に入る。
(三)効能と主治:烏梅は収斂・生津作用があり、蛔虫駆除に効果がある。主治は慢性咳嗽、虚熱煩渇、慢性瘧疾、慢性下痢、赤痢、血便、血尿、過多月経、蛔虫による失神・腹痛・嘔吐、鉤虫病、乾癬、疣贅。白梅は喉の腫れ、下痢と煩渇、梅核気、癰疽腫毒、外傷出血に効く。葉は休息痢(慢性下痢)と霍乱に効く。根は風痺、休息痢、胆嚢炎、瘰癧。梅梗は女性の流産癖を治す。種仁は暑気払い、明目、煩わしさを除く。
(四)応用と処方:
1. 諸瘡胬肉: 黒梅肉1個を塩水で練り潰し、蝋茶と混ぜて酢を加え服用。または黒梅、黄連、灶下土等を粉末にし、茶で調合して服用。また烏梅肉を焼いて焦げ目をつけ、粉末にして悪肉に塗布する。(『本草綱目』)
2.癰疽腫れ物、潰瘍化前後のもの全てに適用:塩漬け白梅を焼いて焦げ目をつけ粉末にし、少量の鉛白を加え、ごま油で調合し周囲に塗布する。(王氏『易簡方』)
3.骨折・外傷による金創:干し梅を焼いて焦げ目がつくまで焼き、搗いて粉末にし、患部に塗布する。(『千金方』)
4. 馬の汗が傷に入り痛みを生じる場合:烏梅を核ごと搗き潰し、酢で和えて塗布する。なお、まず傷を刺して紫色の血を除去してから塗布し、固定する。(『経験方』)
5. 狂犬病の毒傷:烏梅粉末を酒で二銭服用する。(『千金方』)
6.指先の腫れ毒で痛みが激しい場合:烏梅の果肉と魚醤を搗き混ぜ、患部に貼る。(『李楼奇方』)
7.小児の頭部瘡:烏梅を焼いて粉末にし、生油で調合して塗布する。(『聖済録』)
8.傷寒による瘡で下半身に生じた場合:烏梅の果肉三両を炒って粉末にし、練り蜜で梧子の大さに丸める。石榴の根皮で煎じた湯を食前に三十丸服用する。(『聖恵方』)
9.硫黄毒が発症し、背中の痛みと鬱滞感、目の暗澹を伴う場合:烏梅の果肉一両(焙煎)、砂糖半両、米のとぎ汁一大盞を七分まで煎じ、啜る。(『総録』)
10.喉痺・乳蛾:青梅二十枚、塩十二両で五日間漬ける。梅汁を取り、明礬三両、桔梗・白芷・防風各二両、猪牙皂角三十本を共に微粉にし、汁と混ぜて梅と共に瓶に収める。毎回一枚を取り、唾液と共に含み飲みする。中風による痙攣で歯が閉じない場合、これを擦る。
11.消渇煩悶:烏梅の実二両を軽く炒って粉末にする。毎回二銭を水二盞で煎じ、一盞に煮詰めて滓を取り除く。豆乳二百粒を加え、半盞になるまで煎じ、温めて服用する。(『簡要済衆方』)
12.下痢と口渇:烏梅を煎じ、茶代わりに毎日飲む。(『扶寿精方』)
13.産後の下痢と渇き:烏梅の実20個、麦門冬12分、水1升で煮て7合にし、少しずつ飲む。(『普済方』)
14.赤痢腹痛:陳白梅と真茶・蜜水を各半量ずつ煎じて飲む。また方:烏梅肉(炒り)・黄連各四両を粉末にし、練り蜜で梧子大の丸薬を作る。毎回二十丸を服用、一日三回。(『聖恵』)また方:梅の実と葉を煎じて茶代わりに飲む;烏梅を焼いて性質を保ち粉末にし、一日三回、毎回一グラムを米湯で服用。
15. 膿血便下痢:烏梅1両(種を除き)を焼いて粉末にする。毎回2銭を湯で服用する。(『聖済総録』)
16. 長期下痢が止まらず腸垢が排出された後:烏梅の実20個、水1盞を煎じて6分とし、食前に2回に分けて服用する。(『肘後』)また別の処方:烏梅の実と白梅の実を各7個ずつ潰し、乳香の粉末を少量加え、杵で杵打ちし梧桐の種ほどの大きさに丸める。毎回20~30丸を茶湯で服用し、1日3回。(『袖珍』)
17. 大便下血、長期下痢が止まらない:烏梅3両を焼いて焦げ目がつくまで焼き、粉末にする。酢で煮た米糊と混ぜて梧桐の種ほどの大きさに丸める。毎食前、米粥と共に二十丸を服用、一日三回。(『済生方』)
18.小便血尿:烏梅を焼いて焦げ目がつくまで焼き、粉末にし、酢糊で梧桐子大の丸薬を作る。毎回四十丸を服用、酒で服用。(『本草綱目』)
19.血崩れが止まらない:烏梅の実七個を焼いて焦げ目がつくまで焼き、粉末にする。米粥と共に服用、一日二回。
20. 便通不通、気奔死にそうな場合:烏梅十粒を湯に浸し種を取り除き、棗大の丸薬とする。下部に入れれば、間もなく通じる。(『食療本草』)
21. 霍乱による嘔吐下痢:塩梅を煎じ、ゆっくり飲む。(『如宜方』)
22.水気満急:烏梅・大棗各三枚、水四升で煮て二升とし、蜜を加えて均一に混ぜ、含んで飲み込む。(『聖済総録』)
23.梅核膈気:青梅と黄梅を半量ずつ取り、各々に塩一両で一昼夜漬け、天日干しし、水気がなくなるまで繰り返し浸す。青銭三枚で梅二個を挟み、麻糸で縛り、陶器の壺に詰め密封して地中に埋める。百日後に取り出す。毎回一枚を取り出し、含んで汁を飲み込む。(『龔氏経験方』)
24.心腹の脹痛、息切れで絶えそうになる場合:烏梅二十七枚、水五升で一沸騰させ、銭二十七枚を加え、二升半になるまで煮詰めて一気に服用する。(『時後』)
25. 労瘧による衰弱:烏梅十四枚、豆豉二合、桃の枝・柳の枝各一虎口、甘草三寸、生姜一片を童子の小便二升で煎じ、半量まで煮詰めて温め、服用すれば即効あり。(『図経本草』)
26. 長期にわたる止まない咳:烏梅の実を軽く炒り、ケシの実の殻から筋膜を取り除き蜂蜜で炒る。等分して粉末にする。毎服二銭、就寝時に蜂蜜湯で調合して服用する。
27. 痰による失神と頭痛:烏梅の実三十個、塩三撮、酒三升を煮て一升にし、一度に服用する。(『時後方』)
28. 傷寒による頭痛、高熱、胸中煩痛が四五日続いても治まらない場合:烏梅十四枚、塩五合、水一升を煎じて半升にし、温めて服用し嘔吐させる。嘔吐後は風に当たらないこと。(『梅師方』)
29. 天行下痢で食事が取れない場合:黄連一升、烏梅二十枚(炙って乾燥させる)。共に搗いて末とし、蝋を棋子大に練り、蜜一升を加え微火で丸薬状になるまで煮詰め、梧子大の丸薬とする。一回二丸、一日三回服用する。(『聖恵方・烏梅丸』)
30.婦人の血崩れ:烏梅を焼いて灰とし、末にして烏侮湯で調合して服用する。(『婦人良方』)
31.傷寒による蛔厥及び久痢:烏梅三百枚、細辛六両、乾姜十両、黄連十六両、当帰四両、附子六両(炮し皮を除く)、蜀椒四両(汗を出す)、桂枝(皮を除く)六両、人参六両、黄柏六両。上十味を別々に搗き篩い、合わせて煎じる。酢で梅を一晩浸し、種を取り除き、五斗の米と共に蒸す。ご飯が炊き上がったら搗いて泥状にし、薬と混ぜ合わせて杵で蜜と共に二千回搗く。梧桐の実大の丸薬とする。食前に十丸を服用し、一日三回、徐々に二十丸まで増やす。生もの・冷たいもの・滑らかなもの・臭いものは禁忌。
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