クロトン(巴豆)の効能と作用は?本当に下痢だけするのか?
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巴豆にはどのような作用と効能があり、食べると本当に下痢だけするのか?これらの疑問について、以下で詳しくご説明します。巴豆は辛味と熱性を持ち、強い毒性がある熱性下剤です。その作用は多岐にわたり、腸を温めて積滞を排泄し、水分を駆逐して膨満感を解消し、宿食の停滞を取り除き、胃腸に沈着した寒冷の病根を洗い流します。また外用療法として瘡瘍の治療、積滞の解消と解毒にも用いられます。さらに、巴豆油は皮膚や粘膜に刺激を与え、内服すると強力な下剤作用があり、強い殺虫・抗菌能力を持っています。
【巴豆の作用】
寒積を瀉し、関門を開き、痰を逐い、水行を促し、虫を殺す。冷積凝滞、胸腹脹満急痛、血瘕、痰癖、下痢、水腫を治し、外用では喉風、喉痺、悪瘡疥癬を治療する。
①『本草綱目』:傷寒・温瘧・寒熱を主治し、症瘕結聚・堅積・留飲痰癖・大腹水腫を破る。五臓六腑を浄化し、閉塞を開通させ、水穀の道を利する。悪肉を除去する。
②『別録』:女性の月経閉止、胎児腐敗、金創の膿血不順、男性の陰萎、斑螫の毒を殺す。
③『薬性論』:心腹の積聚結気を破り、十種の水腫、痿痹、大腹を治す。④『本草拾遺』:症疽、痃気、痞満、腹内積聚、冷気血塊、宿食不消、痰飲吐水を主治する。
⑤『日華子本草』:一切の病気を通宣し、鬱滞を泄らし、風を除き労を補い、脾を健やかに胃を開き、痰を消し血を破り、膿を排し腫毒を消し、腹蔵虫を殺す。悪瘡・息肉及び疥癬・疔腫を治す。
⑥『医学啓源』:気を導き積滞を消し、臓腑の停滞した寒気を取り除き、寒涼・生冷硬物の損傷を消化し、胃中の寒湿を除去する。
⑦『湯液本草』:腸を通じ、下痢を止めることができる。⑧『本草綱目』:下痢・癲癇・心腹痛・疝気・顔面麻痺・耳聾・喉痺・歯痛を治し、関節や穴を利通させる。【用法用量】
内服:丸剤・散剤に用いる。0.5~1分(巴豆霜を使用)。外用:綿に包んで耳鼻に詰める、膏薬として塗布する、または絹布に包んで患部を擦る。
【注意】
寒実積滞のない者、妊婦及び虚弱者は服用を禁ずる。
①『本草経集注』:芫花がこれを使(使薬)とする。蘘草を忌み、大黄・黄連・藜芦を畏れる。
②『薬対』:芦筍・菰筍・醤鼓・冷水に畏れ、火を得て良。牽牛とは相反する。
③『薬性論』:堕胎の効あり。
④『本草衍義補遺』:寒積のない者は忌むべし。
【附方】
1、寒実結胸(熱症状なし)の治療:桔梗三分、巴豆一分(心皮を除き、黒くなるまで煎じ、脂状にすりつぶす)、貝母三分。三味を散剤とし、白湯で服用。体力のある者は半銭匕、虚弱者は減量。病が横隔膜上にある場合は必ず嘔吐し、下にある場合は必ず下痢する。下痢しない場合は温かい粥一杯を、下痢が止まらない場合は冷たい粥一杯を服用する。(『傷寒論』白散)
2、心腹の急性の百病、悪霊に憑かれたような症状、心腹の膨満感、錐で刺すような急性の痛み、息切れ、口が閉じられなくなる、突然の死を治す:大黄1両、乾姜1両、巴豆1両(皮と芯を取り除き、炒って脂状にすりつぶす)。上薬はそれぞれ新鮮なものを用い、まず大黄・乾姜を搗いて粉末とし、巴豆を研いで加え、合わせて千杵搗きし、散薬とする。蜜で丸めてもよい。温水または酒で大豆ほどの大きさの丸薬を三、四粒服用する。もし下らない場合は、頭を持ち上げて起こし、無理やり飲ませる。間もなく効き目が出る。もし効かない場合は、さらに三粒与える。すると腹中で鳴り、すぐに吐き下して便通が良くなる。もし口が閉じている場合でも、歯を折って無理やり飲ませる必要がある。(『金匱要略』三物備急丸)
3、寒癖・宿食による長期飲酒後の消化不良・便秘に:巴豆仁一升、清酒五升。三日三晩煮て、すり潰し高温にし、酒と微火で煎じ、胡豆大の丸薬とする。毎服一丸を水で服用。嘔吐を催す場合は二丸服用。(『千金方』)
4、痞結・症瘕の治療:巴豆の実五粒(紙で包み油を叩き出す)、紅麹三両(炒る)、小麦ふすま一両(炒る)。全てを細かく粉末にし、混ぜ合わせて黍粒大の丸薬とする。空腹時に十丸を白湯で服用する。(『海上方』)
5、陰毒傷寒による心結(押すと激痛)、大小便便秘、ただ少し温かい気が出る場合の治療:巴豆十粒をすりつぶし、小麦粉一銭を加えて練り、餅状にして臍内に置き、小艾の灸で五壮施す。気が通れば即座に便通が戻る。(『仁斎直指方』)
6、小児の痰喘を治す:巴豆一粒を杵で潰し、綿に包んで鼻に詰める。痰は自然に下る。(『古今医鑑』)
7、寒痰による喘息を治す:青橘皮一片を平らに広げ、剛子一つを入れ、麻糸で縛り、火で焼いて焦げ目をつけ、粉末にする。生姜汁と酒一鐘を混ぜて啜って服用する。(『医説』)
8、夏の水様性下痢が止まらない場合の治療:大巴豆一粒(殻を除く)。針で刺して固定し、灯火で焦げ目をつけ、細かく砕く。蝋を溶かして練り丸にし、水で服用する。食前に服用する。(『世医得効方』針頭丸)
9、気痢の治療:巴豆一両、皮と芯を取り除き、煎じ、細かく挽く。熱いうちに豚レバーと混ぜ丸薬とし、空腹時に米湯で服用。服用量は体質に応じて加減する。牛レバーが特に良い。あるいは蒸しパンで丸めて服用。(『経験方』)
10、小児の下痢(赤白便)の治療:巴豆(煨熟し油を除いたもの)一銭、百草霜二銭(粉末)、飛羅粉で糊状にして丸薬とし、粟粒大に丸める。服用量は体質に応じて調整する。赤痢には甘草湯で、白痢には米湯で、赤白両方の場合は生姜湯で服用する。(『全幼心鑑』)
11、伏暑による冷えの損傷、冷热不調、霍乱による嘔吐下痢、口渇煩渇の治療:大粒の巴豆二十五粒(皮膜を除き、油分を完全にすり出し粉末状に)、黄丹(炒り、すり、ふるいにかけたもの)一両一分。上記を均一にすり合わせ、蜜蝋を溶かして汁とし、梧桐子大の丸薬を作る。毎服五丸、水に浸してしばらく置き、新たに汲んだ水で飲み下す。服用時間は問わない。(『局方』水浸丹)
12、腹部が大きく揺れ水音がし、皮膚が黒くなる水臌の治療:巴豆90粒(皮と芯を除去)、杏仁60粒(皮と尖を除去)。共に煎じて黄色くし、搗いて混ぜ合わせる。小豆大の1粒を服用し、水で下すのを限度とし、酒を飲んではならない。(『補缺肘後方』)
13、肝硬変による腹水を治す:巴豆霜一銭、軽粉五分。四、五層のガーゼの上に置き、へそに貼る。表面にさらに二層のガーゼをかぶせる。一~二時間後、刺すような痒みを感じたら取り外し、下痢を待つ。下痢しない場合は再度貼る。(内モンゴル『中草薬新医療法資料選編』)
14、喉痺の治療:明礬二両(砕く)、巴豆半両(軽く叩いて割る)。共に錬器で炒り、明礬が枯れたら巴豆を取り除き、明礬を微粉にする。患部に水で溶いて流し込むか、乾燥させて咽喉に吹き込む。(『百一選方』)
15、白喉の治療:巴豆仁、朱砂を等分し、それぞれを微粉に挽き混合する。毎回3~5分を取り、膏薬の上に載せ、眉間の上方(薬粉が目に入らないように注意)に貼る。約8~12時間後、局部に大小の水疱が生じたら膏薬を剥がし、薬粉を拭い取り、感染予防のため1%リンドウ紫液を塗布する。(『江蘇中医』(11):23,1959 蓖麻子朱砂膏)
16、突発性難聴の治療:巴豆一粒を蝋で包み、針で刺して通すようにし、耳に詰める。(『経験方』)
17、風虫歯痛の治療:巴豆一粒をすりつぶし、綿に包んで噛む。二、巴豆を針で刺し、灯火で煙が出るまで焼き、痛む箇所を燻す。(『経験方』)
18、あらゆる悪瘡の治療:巴豆三十粒を麻油で黒くなるまで煎じ、豆を取り除き、油で雄黄・軽粉を調合し、頻繁に塗布して効果を得る。(『普済方』)
19、あらゆる瘡毒及び腐敗した瘀血の肉を治す:巴豆の殻を取り除き、焦がすまで炒り、膏状にすり潰し、腫れた部分に点すと毒を解し、瘀血の肉に塗ると自然に腐敗する。(『癰疽神秘驗方』烏金膏)
20、銭銭状癬瘡の治療:巴豆仁3粒を油ごと杵で泥状にし、生絹で包んで擦る。1日1~2回。(『秘伝経験方』)
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